長井古写真物語11 館町の通り
長井市文教の杜に保管されている古写真を紹介します。一枚の写真から情報を読み取ります。
館町通り
この写真は、館町の通りです。撮影は昭和33年と考えられます。立て看板に映画看板が目立ちます。立て看板には、「シルバーピジョン」というスクターと三輪トラックの宣伝があります。映画看板は三つ。中央に立っている男性の左側の看板ですが、「永遠に答えず」と「愛情の都」のPRで二本立て95円という入場料です。永遠に答えずは、昭和32年6月封切の映画で月丘夢路・葉山良二・高田敏江・浅丘ルリ子が出演しています。愛情の都は、昭和33年1月の封切、出演者は宝田明・司葉子・草笛光子・団令子・白川由美等です。多くの方が楽しまれたのではないでしょうか。
中央男性の右側には、「千両役者」「旅は気まぐれ風まかせ」娯楽3本立ての映画看板が設置されています。もう1本の映画はわかりません。千両は昭和33年2月の、旅はは昭和33年4月の封切です。
もう一箇所に看板がありますが、それはバスの右側です。洋画の看板で、「カビリアの夜」と「ザ・マウンテン」です。カビリアは、昭和32年11月の封切ですから半年位遅れての映写のようですね。
左側のバスは山交バスで、米沢駅行きのボンネットバス。多くの方が利用しました。最後に右側の看板は、長井市で設置しています「広報板」で昭和32年5月から市内5箇所に設置されたものです。キャッチフレーズは「明日といわず 今日見ましょう」で、直接的な表現でわかりやすいですね。奥に貼られているポスターは、自衛官採用のタイトルです。
この写真からは、当時のゆっくりした時間が垣間見れます。砂利道をゆっくり進むバス、わきをゆっくり歩く人、映画看板を見る人など、当時の町並みを含めてゆっくり進んでいます。